そして、バトンは渡された

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お気に入りの作家、瀬尾まいこさんの小説です。2019年本屋さん大賞の作品なのです。瀬尾さんは友人に教えて貰い、「あと少しもう少し」「

君が夏を走らせる」と読んできました。とても読みやすく登場人物の心が我が事のように染み入る文章なのです。今回読んだ「そしてバトンは渡された」は主人公の優子は物心つく前の3歳で母親を事故で亡くし父親と二人暮らし、疑問を感じず幸せな日々でしだか、小学校の入学式で父との暮らしは楽しいけど母親がいない家庭に疑問が芽生えました。母親がいない事がわからないまま過ごしてきましたが、事故で亡くなっている事を知りそして小学校高学年で父は梨花と再婚する。派手でちゃきちゃきした艶やかな継母だけどとても優子を大切にしてくれる。そんななかで父親がブラジルに転勤となり離婚するという。優子は異国での暮らしでの不安と友達が大切に思えてしまい、日本に残り梨花と暮らす選択をする。梨花は優子を本当に愛し、優子がピアノを習いたいという願いを叶えるために、お金持ちの人と再々婚をする。そして、再々婚の相手となる父親も優子をとても大事にしてくれる。その後梨花はお金持ちとの生活に窮屈さを感じ離婚。東大出の中学の同級生と再再々婚。そして失踪。15歳の高校生と35歳の血の繋がらない父親との暮らしが始まる。そしてこの最後となるこの若い父親も優子に最大限の愛情を注ぎギクシャクしながらもお互いを大切に暮らします。そして読み進めるに従いこの複雑な環境がなぜ起きたのかわかってきます。

私は本は電車の中で読むことが多いのですが、涙ぐみそうになり危なかったです。物語にのめり込みどうなるどうなるとあっという間に読み終えてしまいました。